研究題目
子宮頸部腺癌・扁平上皮癌、腟・外陰癌の発生及び予後決定に関わる遺伝子異常の検索
研究概要
目的: 現在、子宮頸部腺がんのような治療抵抗性の悪性腫瘍の発生及び予後決定に関わる明確な因子は同定されていない。本研究において、子宮頸部腺がんの分子生物学的特徴を、その他の子宮頸がん (扁平上皮がん) や腟・ 外陰部がんの発がんの分子生物学的特徴と対比した上で、子宮頸部腺がんの発生や予後決定に関わる分子マーカーを同定する。子宮頸部扁平上皮がんの中には若年発症かつ予後不良のがんも存在し、また子宮頸部小細胞神経内分泌がん (SCNEC) は進行も早く予後不良な希少腫瘍であり、腺がんとの混合組織型を呈することが多い。腺がんとSCNECの混合組織型を示すHPV18陽性子宮頸がん症例に対して空間トランスクリプトーム解析を実施することで、腺がんからSCNECへの分化経路、TGF-β-EMT経路の活性化、腫瘍-間質相互作用、および免疫微小環境の空間的特性を明らかにする。これらの知見は、子宮頸がんにおける神経内分泌分化の分子機構解明と新規治療標的の同定に貢献することが期待される。
研究方法: 全エクソン解析、RNAシークエンス解析、シングルセルRNAシークエンス解析、ターゲットバイサルファイトシークエンス解析、空間トランスクリプトーム解析
対象: 子宮頸がん19+4+96症例、NIKS18細胞株
・全エクソンシークエンス: 子宮頸がん1症例由来の腫瘍組織・腫瘍組織由来オルガノイド・末梢血各1検体、4症例由来の腫瘍組織 (8検体) ・末梢血 (2検体) ・腫瘍近傍の正常組織 (2検体) 、96症例由来の腫瘍組織 (96検体)
・RNA-seq: 子宮頸がん1症例由来の腫瘍組織・腫瘍由来オルガノイドの2検体、13症例由来の腫瘍組織 (13検体) 、5症例由来の同一腫瘍内複数検体 (77検体) 、3症例由来の正常子宮頸部由来オルガノイド (3検体) 、1症例由来の正常子宮頸部マイクロダイセクションで取得した4検体、NIKS18細胞株に対してsiRNA knockdownを行ったサンプル5検体
・single-cell RNA-seq: 子宮頸がん1症例由来の正常子宮頸部由来オルガノイド
・ターゲットバイサルファイトシークエンス: 子宮頸がん96症例由来の腫瘍組織
・空間トランスクリプトーム解析: SCNECと腺がんとの混合組織型を呈するHPV18陽性子宮頸がん1症例の腫瘍組織
