研究題目
ヒト疾患特異的iPS細胞の作成とそれを用いた疾患解析に関する研究
研究概要
目的: 病態メカニズムの解明には患者の疾患部位を研究することが最も理想的だが、検体採取のために患者に大きな負担がかかるリスクや、技術的に不可能な場合があり、また採取できる量も限られていることから、繰り返し実験が行えないなどの問題があった。人工多能性幹細胞は、体を構成するさまざまな組織に分化することができる強力な技術であり、本研究計画では患者およびその家族の体細胞からiPS細胞を作り、臨床情報と合わせて病気の原因を調べたり、有効な治療法を見つけ出すことを目的としている。原発性線毛機能不全症 (Primary Ciliary Dyskinesia, PCD) について、疾患特異的iPS細胞および原因遺伝子バリアントを修復したiPS細胞株を樹立し、それぞれから分化誘導した気道上皮細胞に対してシングルセルRNAシーケンス解析を行うことで、PCDにおける遺伝子バリアントによる病態メカニズムを分子生物学的観点から明らかにする。
研究方法: 【JGAS000617 / E-GEAD-623】フローサイトメトリーにより、誘導型2型肺胞上皮 (iAT2) 細胞 (EpCAM+CPM+) と線維芽細胞 (EpCAM-CPM-) を分離し、抽出したtotal RNAを用いたRNA-seq解析を実施した。 【JGAS000846】ヒトiPS細胞由来の気道上皮細胞 (疾患iPS細胞: PCD-iPSC、修復株: CCE1-iPSC) に対し、気液界面培養を用いて分化誘導後、scRNA-seqを実施した。
対象: 【JGAS000617 / E-GEAD-623】Surfactant protein C遺伝子 (SFTPC) バリアントにおける家族性間質性肺炎 1症例 1: 患者血液から樹立したiPS細胞由来肺胞オルガノイドのEpCAM+CPM+細胞 2: 患者血液から樹立したiPS細胞由来肺胞オルガノイドのEpCAM-CPM-細胞 3: 患者血液から樹立した修復iPS細胞由来肺胞オルガノイドのEpCAM+CPM+細胞 4: 患者血液から樹立した修復iPS細胞由来肺胞オルガノイドのEpCAM-CPM-細胞 【JGAS000846】Cyclin O (CCNO) バリアントを持つ原発性線毛機能不全症 1症例 1: 患者末梢血から樹立したiPS細胞由来気道上皮細胞シート 2: 患者末梢血から樹立した修復iPS細胞由来気道上皮細胞シート
