研究題目
頭頸部悪性腫瘍細胞株の樹立 頭頸部悪性腫瘍に対する網羅的遺伝子解析およびデータベースの構築
研究概要
目的: 頭頸部領域悪性腫瘍の発生部位は、咽頭、喉頭、口腔、鼻・副鼻腔、唾液腺、甲状腺、側頭骨等と多岐にわたり、それぞれの発生部位により分子生物学的特徴が異なる。そのため、それぞれの腫瘍の分子生物学的特性に合わせたテーラーメイドの治療の確立が必要である。しかしながら、多くの研究者が細胞バンクの細胞株を利用しているが、細胞バンクから入手可能な頭頚部悪性腫瘍の細胞株は部位、組織型ともに限られており、特に希少がんの細胞株入手は困難である。本研究では、①頭頸部悪性腫瘍組織および患者由来血液の網羅的遺伝子解析を行い、そのデータベースを構築すること、②頭頸部悪性腫瘍の細胞株を樹立後免疫不全動物へ移植し、生着・増殖の可否を検討すること、③樹立した細胞株を細胞バンクへ寄託・譲渡し、多くの研究者が利用可能にすることで、頭頚部悪性腫瘍、特に希少がんについて病態の解明や治療法確立に向けての研究を推進すること、を目的とする。各々の遺伝子解析で得られた知見を多角的に検討することにより、頭頸部悪性腫瘍特異的に関与するがん関連遺伝子や発生母地特異的にみられる遺伝子変異の検索を行うことで、がん関連遺伝子発現もしくは遺伝子変異と予後との相関を明らかにすることにより、頭頸部悪性腫瘍の発がんや進展のメカニズムの解明や、再発・転移予測マーカーの同定、新規分子標的治療の確立を目指す。
研究方法: - 外耳道扁平上皮がん症例の末梢血単核細胞、原発腫瘍組織、原発巣腫瘍組織から樹立した細胞株、それぞれから抽出したDNAを用いた全エクソーム解析
- 側頭骨扁平上皮がん症例の原発巣腫瘍組織、正常皮膚組織それぞれから抽出したDNAを対象とするH3K27AcおよびYAP抗体を用いたChIP-seq解析
対象: - 外耳道扁平上皮がん患者1名から採取した末梢血単核細胞、腫瘍原発巣組織、および腫瘍原発巣組織から樹立した細胞株。細胞株は細胞株 (SCEACono2) として理化学研究所バイオリソース研究センターに寄託済 (https://cellbank.brc.riken.jp/cell0bank/CellInfo/?cellNo=RCB5515&lang=En) 。
- 側頭骨扁平上皮がん5症例の原発巣腫瘍組織ならびに正常皮膚組織
