研究題目
肝胆膵癌の早期発見、進行、予後予測、 治療効果予測に関わる因子の研究
研究概要
目的: 転移や再発を伴う進行がんの殆どは、依然として治療抵抗性があり、難治性がんである。肝がんの多施設検体コホートに基づく難治性規定分子の同定と分子標的治療の開発をテーマに、腫瘍組織および非腫瘍組織の全エキソン配列解析、網羅的エピゲノム解析、網羅的遺伝子発現解析を実施することにより、難治性肝がんを規定するドライバー遺伝子の候補を同定し、発がんメカニズム解析による新規治療法の開発、予防医学への応用を図る。
研究方法: 難治性肝がんの指標には、ミラノ基準 (基準外: 腫瘍径5 cm以下単発腫瘍、または腫瘍径3 cm以内3個以内腫瘍、かつ遠隔転移・肉眼的脈管浸潤なし、基準内: 少なくとも術後2年以内無再発) を用いた。主腫瘍組織、および周囲の非腫瘍組織からDNAを抽出し、Genome-Wide Human SNP Array 6.0 (Affymetrix) を用いたSNP解析による検証を行った後、全エキソン配列解析を施行した。全エキソン配列解析は、BWAによるhg19リファレンスゲノムへのマッピング、およびGATKによるリアラインメント・リキャリブレーションを経て、VarScan、MuTect、SomaticIndelDetector、FATHMMなどを組み合わせたフィルター、およびIGVによる目視確認を経て、変異の選択を行った。
対象: 難治性肝がんは高率に再発をきたす疾患であるが、再発しても治療可能なミラノ基準内の再発であれば再切除などで治癒可能であることが多いが、ミラノ基準外再発では治癒困難であり、しばしば致死的となる。本課題では、肝がんの致死的再発解明の観点から、根治的肝切除手術を施行した原発性肝細胞がん33症例 (ミラノ基準外再発例16症例と基準内再発例17症例) の手術時切除切片 (腫瘍組織及び非腫瘍組織) を用いた。
