NBDC Research ID: hum0402.v1
研究内容の概要
目的: 近年、single cell RNA sequence解析により、大腸がん細胞と間質細胞における細胞間相互作用が解析されてきたが、がんの早期における腺腫から発現する重要ながん微小環境、特に免疫寛容獲得機構に関してはまだ明らかになっていない。公共データベースより入手したシングルセル解析と空間的トランスクリプトーム解析を統合することにより、腺腫がん境界部における免疫寛容およびがん微小環境の形成について調べた。この解析により、早期がん細胞が共局在する免疫細胞および細胞間相互作用を明らかにし、免疫から逃避するメカニズムを明らかにすることによって新たな治療標的分子を探索する。
方法: ホルマリン固定パラフィン包埋標本(FFPE)から5μm厚切片を作成し、Visium Spatial Gene Expression Reagent Kits for FFPEユーザーガイドに従い、Visium Spatial Gene Expression Slide Kit(10x Genomics)を用いて処理した。切片をH&E染色して画像化した後、MGI DNBSEQ-G400システムを用いて捕捉したプローブライブラリーをシーケンスし、リードをデマルチプレックスした。
対象: 発がん機転ACS(adenocarcinoma sequence)を背景とした大腸がん症例
データID | 内容 | 制限 | 公開日 |
---|---|---|---|
NGS(Visium Spatial Gene Expression)、病理画像 | 非制限公開 | 2024/04/12 |
※リリース情報はこちら
※論文等でデータベース からダウンロードしたデータを含む結果を公表する際には、下記文献を引用いただくか、 NBDCヒトデータベースに登録されたデータを利用した旨について謝辞 (Acknowledgement)に記載して下さい。記載例はこちら。
分子データ
対象 |
ACSを背景とした大腸がん(ICD10:D01.0):4症例 FFPE腫瘍組織切片:4検体 |
規模 | Visium Spatial Gene Expression、病理画像 |
対象領域(Target Captureの場合) | - |
Platform | MGI [DNBSEQ-G400] |
ライブラリソース | FFPE腫瘍組織から切り出した厚さ5μmの切片より抽出したRNA |
検体情報(購入の場合) | - |
ライブラリ作製方法(キット名) | Visium Spatial Gene Expression Reagent Kits for FFPE |
断片化の方法 | Hybrid Selection |
ライブラリ構築方法 | Paired-end |
リード長(除:バーコード、アダプタ、プライマー、リンカー) | 平均100 bp |
Visiumデータ解析ソフトウェア | Space Ranger software v.1.3.1 |
リファレンス | GRCh38 (build 2020-A, 10x Genomics) |
組織画像 | HE染色 |
DDBJ Sequence Read Archive ID | DRA016537 |
Genomic Expression Archive ID | E-GEAD-622 |
総データ量 |
DRA016537:84 GB(fastq) E-GEAD-622:73 MB(tif、png、json、csv) |
コメント(利用にあたっての制限事項) | NBDC policy |
提供者情報
研究代表者: 三森 功士
所 属 機 関: 九州大学病院別府病院 外科
プロジェクト/研究グループ名: 大腸発癌におけるドライバー変異の発生機序の解明
科研費/助成金(Research Project Number):
科研費・助成金名 | タイトル | 研究課題番号 |
---|---|---|
科学研究費助成事業 基盤研究(C) | 大腸がんctDNAの術後早期再発診断システム開発と再発への進化系統樹の臨床的意義 | JP21K07179 |
科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) | 多領域シークエンスと進化シミュレーションによる大腸がん腫瘍内ダイバーシティの解明 | JP20H05039 |
科学研究費助成事業 基盤研究(B) | 大腸初期病変から進行がんへの真の進化様式解明と治療法の確立 | JP19H03715 |
科学研究費助成事業 基盤研究(C) | ゲノム進化モデルにより同定された大腸癌におけるタンパク翻訳開始点制御の異常の解明 | JP19K09176 |
科学研究費助成事業 基盤研究(C) | ctDNAメチル化検出を実装する新たなアプローチによる大腸癌再発早期診断法の確立 | JP20K08930 |
科学研究費助成事業 基盤研究(B) | 大腸がん細胞との共局在により悪性度と免疫寛容を獲得するがん微小環境の解明 | JP22H02903 |
科学研究費助成事業 基盤研究(C) | 空間的シングルセル解析による大腸線癌から発がん過程に於ける免疫寛容獲得機構の解明 | JP23K08074 |
日本医療研究開発機構(AMED) 次世代がん医療創生研究事業(P-CREATE) | 難治性がんにおけるエピジェネティックな多様性・環境適応創生機構の解明に基づく新たな治療法開発 | JP22ama221501 |
日本医療研究開発機構(AMED) 革新的がん医療実用化研究事業 | 国際共同研究に資する大規模日本人がんゲノム・オミックス・臨床データ統合解析とゲノム医療推進に向けた知識基盤構築 | JP20ck0106547 |
日本医療研究開発機構(AMED) 革新的がん医療実用化研究事業 | 大腸がん微小転移巣形成機構の理解による新規予防治療戦略の確立 | JP20ck0106541 |
日本医療研究開発機構(AMED) 次世代がん医療創生研究事業(P-CREATE) | 難治がん特異的エピゲノム変異を標的にしたctDNA検出法の確立 | JP20cm0106475 |
日本医療研究開発機構(AMED) 次世代がん医療創生研究事業(P-CREATE) | 微小環境多様性に連動する難治がんの分子遺伝学的多様性創成機構の解明と新たながん治療法・予測医療技術の開発 | JP19cm0106504 |
関連論文
タイトル | DOI | データID | |
---|---|---|---|
1 | Spatial and single-cell colocalisation analysis reveals MDK-mediated immunosuppressive environment with regulatory T cells in colorectal carcinogenesis | doi: 10.1016/j.ebiom.2024.105102 | DRA016537 E-GEAD-622 |
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